コーポレート・ガバナンスの状況
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
パーク24グループ(以下、当社グループという)は、グループ理念に「時代に応える、時代を先取る快適さを実現する。」を掲げ、持続的な企業価値の向上に努めています。
持続的な企業価値の向上においては、事業の拡大に加え、全てのステークホルダーと信頼関係を構築することが必要不可欠であることから経営における公正性、透明性、客観性を高めることでコーポレート・ガバナンスの強化と充実を図ってまいります。
企業統治体制図
(2025年1月30日時点)

体制の概要と採択理由
(2024年11月1日時点)
監査等委員会設置会社を選択し、経営における透明性、公正性の確保と監督機能の強化を通じて継続的な企業価値向上を図っております。あわせて、迅速な意思決定を行うことを目的として、執行役員制度を導入し監督機能(取締役)と業務執行機能(執行役員)の分離を行っております。
また、取締役の指名・報酬に関する手続きの公正性・透明性・客観性を確保し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、諮問機関として任意の「指名報酬・ガバナンス委員会」を設置しております。加えて、環境および社会課題の解決に対して、より強力にグループ横断的なサステナビリティに関する取り組みを遂行するため、「サステナビリティ委員会」を設置しております。
1.取締役会
取締役会は戦略の方向性や経営資源の配分について決定することおよび執行役員による業務執行の監査・監督をその重要な役割・責務と考えており、経営戦略・経営計画について取締役会で議論し策定するとともに業務執行のモニタリング強化に努めております。これらを通して中長期的な企業価値および全てのステークホルダーの利益の継続的な向上を目指しております。
十分な議論と迅速な意思決定を行うために、定款に定めを設け、監査等委員である取締役を除く取締役は10名以内とし、監査等委員である取締役は5名以内としております。
選任に際してはグループ理念を理解し、これを実践できる、人格並びに見識ともに優れ、その職責を全うすることのできる者としております。
さらに、取締役会における意思決定プロセスの公正性、透明性および客観性を向上させ、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させることを目的とし、代表取締役と社外取締役から構成され、社外取締役が委員長を務める指名報酬・ガバナンス委員会が、取締役会の諮問に基づき、取締役選任案を検討し、答申を行います。当該答申に基づき、社外取締役を含めた取締役会において、取締役選任議案を決定しております。
2.監査等委員会
監査等委員会は、当社および当社グループ会社の取締役、執行役員または従業員が法令・定款および社内の規則・規程を遵守しているかを監査しております。
3名の監査等委員である取締役より成り、過半数を社外取締役が占めております。監査等委員は、それぞれ、会計・財務および監査に関する専門知識と経験、海外を含む企業法務・コンプライアンスの分野を中心とした専門的見識と経験、また、当社事業の監査経験等を有し、独立した客観的な立場から取締役会や経営陣に能動的・積極的に適切な意見を述べております。また、常勤の監査等委員である取締役を選任し、社外取締役の持つ客観的かつ高い知見と、常勤の監査等委員である取締役の持つ情報収集力を組み合わせて、その実効性を高めております。
3.指名報酬・ガバナンス委員会
取締役の指名や報酬に関する意思決定等に社外取締役の関与・助言の機会を適切に確保し、取締役会における意思決定プロセスの公正性、透明性および客観性を向上させ、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させることを目的として、2019年6月に「指名報酬委員会」を設置し、2023年11月には同委員会における機能を拡充し、「指名報酬・ガバナンス委員会」へ改称いたしました。
取締役会からの諮問に基づき、(1)取締役の選任・解任に関する事項、(2)取締役の報酬等の決定方針や報酬等に関する事項、(3)後継者計画に関する事項、(4)取締役会の実効性確保に関する事項、(5)株主に対する受託者責任・説明責任に関する事項、(6)その他コーポレート・ガバナンスに関して取締役会が諮問する事項を審議し、答申を行います。
指名報酬・ガバナンス委員会の委員は、代表取締役および社外取締役をもって構成し、委員長は、社外取締役から選定します。
4.経営会議
グループ理念の実現に向けて、当社事業に精通した者による徹底した議論と機動的な意思決定が必要であるとの考えに基づき、これらを達成するために、代表取締役社長および執行役員を構成員とする経営会議を設置しています。
経営会議の議長は社長がこれを務め、会社の業務執行に関する重要な立案、調査、検討、決定および実施結果の把握等を行います。
5.会計監査人
株主・投資家に対して適正な監査の確保に向けて責務を負い、監査等委員会や経理部門などの関連部門と連携し、監査日程や監査体制の確保に努めるなど適正な監査の確保に向けて適切な対応を行っております。
会計監査人と監査等委員会および内部監査部門とは定期的にミーティングを行い、十分な連携を確保しております。
6.内部監査部
当社および当社グループの内部監査は、内部監査部が会計監査人と連携しながら行っております。
7.リスク管理委員会
リスク管理委員会は、全社的なリスク管理体制として、代表取締役社長および役職員を構成員としており、リスク管理最高責任者は代表取締役社長が務めております。
リスク管理委員会は、気候変動関連問題を含むサステナビリティに関連するリスクを含め、グループ経営に影響を及ぼす可能性のあるリスクを一覧化したリスクマップを作成し、重要リスクについては、モニタリングを実施し、定期的に特定リスクの追加・変更、評価、優先ランク付けの見直し等実施の上、その結果を取締役会に報告することで、これらリスクの対処・予防にあたっております。
リスクが顕在化した際は、その影響の最小化を図ることにより、事業の安定的な継続と企業価値の向上を実現するために重要な役割を担っております。
8.サステナビリティ委員会
サステナビリティ方針や戦略を策定し、目標とすべき指標を設定することで、グループ横断的な取り組みを推進します。サステナビリティ委員会の委員長は当社取締役が務め、委員は当社グループ各社の役職員をもって構成します。
9.システム委員会
当社グループの中期経営計画における2030年テーマ「4つのネットワークの拡大・進化・融合」の強力な推進に向けて、グループITガバナンスの強化を図るため、事業戦略に沿った機動的な投資判断を行います。システム委員会の委員長は取締役が務め、委員は当社グループ各社の役職員をもって構成します。
当該体制を採用する理由
グループ理念を実現するためには、迅速な意思決定ができる体制と、挑戦を続けていく社内風土を維持しつつ、他方で、株主の皆様やその他のステークホルダーの期待に応える強固なガバナンス体制を構築することが重要だと認識しています。この観点から、経営監督と業務執行の分離をしております。
経営監督については、取締役会において社外取締役を中心に「透明性と客観性の向上」を図り、かつ、取締役会における議決権を持つ監査等委員による監査・監督機能の強化を図ることができる監査等委員会設置会社の体制を採用しております。業務執行については、経営会議を設置し、迅速かつ合理的な意思決定を可能にする体制を採用しております。
取締役選任基準
取締役
当社の取締役会は、当社の事業に最も精通した者により取締役会を構成することが、機動的かつ合理的な経営判断を行う上で最も実効的であると考えています。そのため、その選任については、グループ理念を理解し、これを実践できる、人格ならびに見識ともに優れ、その職責を全うすることのできる人物であるかの審議をし、最終的な方針決定を行っています。
社外取締役
社外取締役については、業務執行者による意思決定が、中長期的な企業価値の向上という観点から適切妥当なものになるような助言、監督を行うことを重要な役割と位置づけています。この観点から、社外取締役には、企業経営に関わった幅広い経験、専門的知見等をもとに、広い視野から経営に対する助言および意見ができ、一般株主と利益相反が生じる可能性がないと判断される人物を総合的に勘案し選任しています。また、上述の助言、監督の実効性を担保するため、社外取締役が業務執行者から独立していることが重要であると考えています。この観点から、社外取締役の独立性に関する基準を設け、積極的に、当該基準を満たす独立性を有する社外取締役を選任しています。
社外取締役独立性基準
当社は、取締役会の監督機能の強化および透明性の高い経営の確保のため、社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)2名を選任しております。また、コーポレート・ガバナンス体制の強化および監査体制の充実のため、監査等委員である社外取締役2名を選任しております。
当社は、独立社外取締役の選任に関しては、東京証券取引所の定める独立要件によることを基本とし、これに加えて重要性判断の具体的基準として、自社基準を定め、一般株主と利益相反が生じる可能性がないと判断される者を選任する方針としております。
なお、監査等委員以外の社外取締役2名および監査等委員会である社外取締役2名は東京証券取引所に独立役員として届け出ております。
取締役選任理由
各人の選任理由は以下の通りです(2025年1月30日時点)。
西川 光一 [代表取締役社長]
当社入社以来、駐車場事業に従事し、営業部門、情報システム部門長や取締役等の経験を経て、2004年当社代表取締役社長に就任しております。駐車場事業、モビリティ事業における豊富な業務経験と、企業経営全般に関する見識を有しています。
川上 紀文 [取締役]
当社入社以来、システム会社、コンサルティング会社での勤務経験を活かし、駐車場・モビリティ事業のIT化、営業システム構築・業務効率化推進など、当社グループのシステム部門長を歴任するとともに、タイムズカーを中心としたモビリティ事業の拡大に専心しております。企業経営・情報システム全般に関する見識を有しています。
實貴 孝夫 [取締役]
当社入社以来、会計・ファイナンスのスキル、海外での豊富なビジネス経験をベースに、2017年に当社グループに加わったシンガポール・マレーシアの事業責任者として駐車場事業の立ち上げおよび拡大と収益構造の変革に従事してまいりました。また、経営企画担当として、新型コロナウイルス感染症禍で先行きが不透明な中での資本政策の立案・実行、財務会計、新規事業の立ち上げなどを推進しております。グローバルビジネス・経理・財務に関する見識を有しています。
大浦 善光 [取締役(社外)]
上場企業において執行役として企業経営経験を有するとともに、他社の社外取締役も務めておられることから、豊富な見識と経験を有しており、その見識と経験に基づいた意思決定と監督をするとともに、指名報酬・ガバナンス委員会 委員長として、取締役の指名および処遇の公正性・透明性・客観性の検討に貢献しています。
黒木 彰子 [取締役(社外)]
外資系コンサルティング会社や大手IT企業等での実務経験に基づく会計・ファイナンスと、人事領域に関する深い見識を有しています。グローバルな視点に基づいた当社経営への意思決定と監督を行うことで当社の企業価値向上に貢献しています。
山中 新吾 [監査等委員である取締役]
当社入社以来、駐車場の開発・営業に従事し駐車場事業の成長と発展に貢献するとともに、当社取締役としてリスク管理・内部監査・コンプライアンスを担当し、グループ全体のリスクマネジメント・内部監査・法令遵守を推進してまいりました。それらの見識と経験を活かした意思決定と監督を行うことで当社の企業価値向上に貢献しています。
丹生谷 美穂 [監査等委員である取締役(社外)]
弁護士として企業の海外進出支援や国際的紛争解決に携わり、不動産事業やエネルギー事業などの法的支援を行っており、長年にわたり企業法務の分野を中心に活躍し、豊富な見識と経験を有していることから、それらの見識と経験を活かした意思決定と監督を行うことで当社の企業価値向上に貢献しています。
長坂 隆 [監査等委員である取締役(社外)]
監査法人での公認会計士として長年にわたり培ってきた会計に関する専門的な知識と豊富な経験に加え、監査部長や常務理事を務められた実績を有しており、他社の社外取締役も務めておられることから、その知識と経験に基づいた意思決定と監督をいただくことに加え、当社の業務執行に対する監査機能の向上に貢献しています。
スキルマトリクス
取締役および執行役員のスキルマトリクスは以下の通りです(2025年1月30日時点)。
取締役会
氏名/役職 | 西川 光一 代表取締役社長CEO |
川上 紀文 取締役専務執行役員CIO |
實貴 孝夫 取締役常務執行役員CFO |
大浦 善光 取締役(社外・独立) |
黒木 彰子 取締役(社外・独立) |
---|---|---|---|---|---|
企業経営 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
グローバルビジネス | 〇 | 〇 | 〇 | ||
会計・ファイナンス | 〇 | 〇 | 〇 | ||
法務・コンプライアンス | |||||
情報システム・テクノロジー | 〇 | 〇 | |||
人財開発・DEI | 〇 | ||||
サステナビリティ | 〇 | 〇 |
氏名/役職 | 山中 新吾 監査等委員である取締役 |
丹生谷 美穂 監査等委員である取締役(社外・独立) |
長坂 隆 監査等委員である取締役(社外・独立) |
---|---|---|---|
企業経営 | 〇 | ||
グローバルビジネス | |||
会計・ファイナンス | 〇 | ||
法務・コンプライアンス | 〇 | 〇 | |
情報システム・テクノロジー | |||
人財開発・DEI | |||
サステナビリティ | 〇 |
執行役員
氏名/役職 | 佐々木 賢一 専務執行役員CHRO |
川崎 計介 常務執行役員CLO兼COO |
渡辺 英一 上席執行役員 |
満仲 洋一 執行役員 |
岩渕 泰治 執行役員 |
---|---|---|---|---|---|
企業経営 | 〇 | 〇 | |||
営業・マーケティング | 〇 | ||||
グローバルビジネス | |||||
会計・ファイナンス | 〇 | 〇 | |||
法務・コンプライアンス | 〇 | ||||
情報システム・テクノロジー | 〇 | 〇 | |||
人財開発・DEI | 〇 | 〇 | |||
サステナビリティ | 〇 |
氏名/役職 | 秋田 剛児 執行役員 |
内村 俊郎 執行役員 |
小田原 真琴 執行役員 |
佐藤 雅樹 執行役員 |
---|---|---|---|---|
企業経営 | ||||
営業・マーケティング | 〇 | 〇 | ||
グローバルビジネス | ||||
会計・ファイナンス | 〇 | |||
法務・コンプライアンス | 〇 | |||
情報システム・テクノロジー | ||||
人財開発・DEI | ||||
サステナビリティ |
取締役活動報告
取締役会の運営状況
持株会社である当社の取締役会は、グループ会社の経営方針と目標を定めるとともに、グループ各社における業務執行を監督する役割を担っています。 取締役会は原則毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催しています。2024年10月期は合計14回開催しました。なお、出席率については、取締役全員が100%でした。
2024年10月期は、コロナ禍以降一部展開エリアにて業績回復の途にある駐車場事業海外について、個別議案による報告を継続することで、状況の精緻な把握および質の高い活発な議論につながりました。また、社外取締役の海外拠点視察を実施することで事業への理解を促進しました。人的資本経営については、当社グループの経営戦略と連動した施策を立案・推進しました。
取締役会の主な検討事項
- 経営方針・事業計画関連
- 資本政策関連
- TCFD対応
- 人的資本開示等のサステナビリティ関連
- 役員選定、役員報酬決定、取締役会実効性評価等のコーポレート・ガバナンス関連等
監査等委員会の運営状況
監査等委員会は、監査の方針や計画を定め、それらに基づき会社の内部統制に関わる部門と連携の上、委員が重要な会議に出席するほか、当社の業務や財産状況の調査をもとに、取締役の職務執行の適法性や妥当性に関する監査を行っています。2024年10月期の監査等委員会は15回開催、出席率は全委員100%でした。
監査等委員会での主な検討事項
- 監査方針および監査計画について
- 内部統制システムの整備・運用状況について
- 会計監査人の監査計画、監査の方法および監査の結果について
- 会計監査人の評価および報酬について
指名報酬・ガバナンス委員会の運営状況
指名報酬・ガバナンス委員会は、取締役の指名や報酬に関する意思決定等に社外取締役の関与・助言の機会を適切に確保し、取締役会における意思決定プロセスの公正性、透明性および客観性の向上を図っています。2024年10月期の指名報酬委員会は12回開催、出席率は全委員100%でした。 2024年10月期は、取締役専任や役員報酬制度の評価設計、後継者育成計画について複数回審議しました。後継者育成計画については、社長をはじめとする次世代経営層の育成が中長期的に当社の企業価値を高め、社会的責任を果たしていくために重要な取り組みであると認識しています。現時点では、当社グループの経営チーム(代表取締役・取締役・執行役員)に求められる要件は「誠実性(私利私欲に走らず、社会全体・会社の利益を考えて、誠意・真心を持って人や物事に対する)・ビジョンの明示(グループの将来像を示す)・フロンティア精神(新しいものへの挑戦、世界を切り拓く)」の3つと定めており、今後は、本要件を軸とした育成方針や育成計画を策定してまいります。
指名報酬委員会での主な検討事項
- 取締役の選任について
- 役員報酬について
- インセンティブ評価指標について
- スキルマトリクスについて
- 後継者育成計画について
- 2025年10月期組織体制および重要人事について
2024年10月期における取締役会/監査等委員会出席状況
役員の取締役会および監査等委員会への出席状況については以下の通りです(2023年10月31日時点)。
取締役 | 社外 | 取締役会(14回開催) | 監査等委員会(15回開催) | ||
---|---|---|---|---|---|
出席回数 | 出席率 | 出席回数 | 出席率 | ||
西川 光一 | - | 14 | 100% | - | - |
佐々木 賢一 | - | 14 | 100% | - | - |
川上 紀文 | - | 14 | 100% | - | - |
川崎 計介 | - | 14 | 100% | - | - |
大浦 善光 | 〇 | 14 | 100% | - | - |
黒木 彰子 | 〇 | 14 | 100% | - | - |
山中 新吾(監査等委員) | - | 14 | 100% | 15 | 100% |
丹生谷 美穂(監査等委員) | 〇 | 14 | 100% | 15 | 100% |
長坂 隆(監査等委員) | 〇 | 14 | 100% | 15 | 100% |
※ 上記の取締役会の開催回数のほか、会社法第372条第1項の規定に基づく書面報告を2回実施しております。
役員の報酬等
報酬設計 (監査等委員である取締役および社外取締役を除く)

1. 基本報酬
基本報酬は、 取締役が担当する職務、役割、責任および事業の利益規模等の要素を考慮し定めた報酬テーブルに基づき決定される報酬体系としています。
2. 短期インセンティブ(STI)
短期インセンティブ(STI)は、役位に応じて設定された基準額に評価指標(連結営業利益および連結当期純利益)達成率に応じた支給倍率を乗じて算出しています。当該指標を選択した理由について、連結営業利益につきましては、為替・金利等の影響を受けない本業での利益として、本業での貢献を評価するためであり、連結当期純利益につきましては、株主利益に直結する最終利益として、株主利益への貢献を評価するためです。また、取締役の役割に応じて、定量的な評価指標(連結営業利益および連結当期純利益)に加えて、定性的な指標を用いて評価しています。
3. 長期インセンティブ(LTI)
長期インセンティブ(LTI)は、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。譲渡制限期間につきましては、当社または当社子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位を退任した直後の時点までの間と定めています。また、評価指標につきましては、中長期的な企業価値向上への取り組みに対する報酬という性格上、各役員に長期的視点を持たせるために、連結営業利益および連結当期純利益といった全社利益への貢献に加え、資本効率(ROIC)、ESG 指標、定性評価を評価指標に含めています。なお、ESG に関する評価指標は、環境、社会、ガバナンスの視点を踏まえ4つの指標で構成しており、環境についてはサステナビリティの中長期目標の達成度、社会については従業員のエンゲージメント指数、ガバナンスについては外部評価機関における ESG 関連評価指数を用いています。
個人別の報酬等の決定方針の決定方法
当社は、取締役会の諮問に基づき指名報酬・ガバナンス委員会が答申を行い、取締役会にて取締役の個人別の報酬の内容にかかる決定方針を定めています。
個人別の報酬等の決定方針の概要
決定方針は以下1〜5の基本方針に基づき策定しています。
- 持続的な業績の向上を図るものであること
- 企業価値の増大への動機付けとなること
- 優秀な経営人材(人財)の確保に資するものであること
- 株主の皆様との利害意識の共有できる内容であること
- 会社業績との連動性が高く、透明性・客観性が高いものであること
報酬支給実績
連結営業利益の実績
2023年 10月期 |
2024年 10月期 |
|
---|---|---|
連結営業利益 | 31,986百万円 | 38,697百万円 |
前連結会計年度比 | 154.7% | 121.0% |
事業計画(連結営業利益) | 27,000百万円 | 35,000百万円 |
事業計画(連結営業利益)達成率 | 118.5% | 110.6% |
連結当期純利益の実績
2023年 10月期 |
2024年 10月期 |
|
---|---|---|
連結当期純利益 | 17,542百万円 | 18,625百万円 |
前連結会計年度比 | 708.2% | 106.2% |
事業計画(連結営業利益) | 13,000百万円 | 20,000百万円 |
事業計画(連結営業利益)達成率 | 134.9% | 93.1% |
役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
役員区分 | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数(名) | ||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動報酬 | ||||
短期インセンティブ(STI) | 長期インセンティブ(LTI) | ||||
取締役(監査等委員・社外取締役を除く) |
331 |
161 |
116 |
54 |
6 |
取締役(監査等委員)(社外取締役を除く) |
25 |
25 |
- |
- |
2 |
社外役員 |
47 |
47 |
- |
- |
4 |
※ 役員ごとの報酬等の総額につきましては、1億円以上を支給している役員はおりませんので記載を省略しております。
取締役会実効性評価
当社は、毎期取締役会の実効性評価を行っています。具体的な評価方法としては、全取締役へのアンケートを毎期実施し、3年に1度、外部機関から実効性評価への助言を受けるとともに全取締役への個別インタビューを行っております。結果については集計・分析後に取締役会に報告され、前期抽出課題への対応状況の確認や、当該期に抽出された課題への対応方針の策定を行っています。
当社は、取締役会の実効性評価を通じて、コーポレート・ガバナンスにおける具体的な改善施策を設定・実行することで、継続的にコーポレート・ガバナンスの強化を図ります。
社外取締役へのサポート体制
社外取締役がその役割・責務を十分に果たすことを目的としたサポート体制を構築しています。取締役会においては、開催の2営業日前までに議案の資料を送付し、1営業日前までに事前説明を行っています。これにより、各議案の論点整理をはじめ、社内の情報を幅広く提供し、取締役会の審議時間を有効に活用し、建設的な議論を行うことを可能としています。また、社外取締役へは当社の事業を深く理解する機会を設けるほか、社外取締役を含む役員がサステナビリティやコーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する最新情報を十分に理解を深める機会として、「役員トレーニング」を定期的に実施しています。
その他コーポレート・ガバナンスの状況
取締役会にて決議できる株主総会決議事項
(イ)自己株式の取得
当社は、株主への機動的な資本政策を行うことを目的に、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
(ロ)中間配当
当社は、機動的な配当政策の遂行を可能とすることを目的に、取締役会の決議によって、毎年4月30日を基準日として中間配当をすることができる旨定款に定めております。
取締役の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)については10名以内、監査等委員である取締役については5名以内とする旨定款に定めております。
取締役の選任の決議要件
取締役の選任決議につきましては、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
責任限定契約
当社は定款において、非業務執行取締役との間で会社法第427条第1項に規定する責任限定契約を締結できる旨を定めております。当該定款規定に基づき、監査等委員である取締役3名と監査等委員でない社外取締役2名との間で、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に規定する最低責任限度額としております。