健康経営の推進

私たちの健康寿命が延び、人生100年時代が目前に迫っています。
事業者に対しては、事業を通して生涯現役を前提とした経済的社会システムの再構築が求められています。

パーク24グループにおいても、これまで時代の変化に即応し、幅広い年代の従業員が心身ともに健康なまま退職を迎えられるよう、労働環境整備を進めて参りました。
今後、さらに従業員とその家族の健康保持増進がグループの経営戦略上で重要なテーマとなることを鑑み、グループ全体の持続的な成長に健康経営の視点を取り入れることが不可欠であると考えるに至りました。

健康経営宣言

パーク24グループは、「時代に応える、時代を先取る快適さを実現する」というグループ理念の基、グループ全体が持続的な成長を続けるために、社員一人ひとりの経験値やノウハウを高め、その能力を存分に発揮できる環境構築の一環として、社員とその家族に対し、健康を保持増進できる環境を提供します。
健康の保持増進により、社員一人ひとりが満ち足りて、継続的に生産性高く、いきいきと仕事に打ち込めることを目指すとともに、社員の健康および安全に関する法令を遵守し、心身の健康と安全を経営戦略上の重要課題として、働きやすい職場環境づくりを推進します。

2020年3月

体制

健康経営責任者のもと、当社グループ各社および各事業場が参加する健康経営推進会議(2023年設置)を中心とした健康経営の推進体制を整えています。健康経営推進会議は各社・各事業場の衛生委員会とも連携し、健康経営推進事務局である健康経営・福利厚生チームでは社内保健師・心理士が健康経営の企画から施策の実行までに携わることで、専門的知見を健康経営に取り込んでいます。
健康保険組合と連携を図りコラボヘルス(※1)を実施している他、従業員代表とも定期的な協議を行いながら健康経営を推し進めています。

  1. ※1コラボヘルスとは保険者と事業者が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、加入者の予防・健康づくりを効率的・効果的に実行すること。

目標数値

健康意識向上と健康リスク者低減を確実に進めることを目的として、特に課題と認識する以下の項目に目標数値を定めています。目標数値は、グループ統括産業医監修のもと全国平均を上回る値にて設定、進捗状況により更新し、健康経営戦略マップへ反映しております。また、この目標数値は2021年に設定した当社グループのサステナビリティに関する中長期目標にも組み込まれています。

    <2024年までの目標数値>

  1. 1)健康に対する意識向上
    • (1) 健康教育年度内受講率100%
    • (2) 安全衛生関連イベント年度内 延べ参加者数5,000人超
  2. 2)健康リスク者の低減
    • (1) 精密検査受診率75%以上
    • (2) 国内従業員喫煙率20%以下
    • (3) 女性従業員の女性特有のがん(乳がん・子宮がん)検診受診率60%以上

当社グループの健康経営においては、各施策別に従業員とその家族まで広く対象とする施策も展開しておりますが、その他の補足説明がない限り、原則国内事業所に勤務する被用者健康保険加入者を「健康管理対象者」としてデータ集計の対象としています。

目標達成に向けた取組状況

  1. 1)健康に対する意識向上

    健康意識向上はすべての人の人生の糧になるとの考えから、パーク24グループでは健康管理対象者のみならず、短時間勤務者を含む国内外事業所すべての従業員に健康教育および健康イベントを実施する取り組みを行っています。

    1. (1)

      ウェビナーや教育動画のオンデマンド配信を行い、様々な勤務体系の従業員が受講しやすい環境を整えています。また、より多くの従業員に興味を持ってもらえるよう、1年を通して、社内外の専門家による多彩なテーマで教育コンテンツを発信しています。
      2023年には、全従業員を対象とした社内の必須研修に健康コンテンツを追加したことにより、健康教育受講率が94.8%と前年の27.6%から飛躍的に向上しました。雇用形態に関わらず多くの従業員がヘルスリテラシーを向上させることが当社グループ全体の健康の底上げにつながると考えています。

      <2023年の健康教育実施テーマ例>

      • 管理職向け健康経営研修
      • 女性特有の健康問題
      • マインドフルネス瞑想
      • 感情労働とメンタルヘルス
      • 睡眠習慣改善
      • 転倒防止・ロコモ予防 等
      【 オンライン講座 ロコモ予防セミナー 】
    2. (2)

      健康意識を健康行動につなげるため、各種安全衛生関連イベントを実施しています。いずれのイベントも、無理なく楽しみながら参加でき、健康な食生活や運動習慣への気づきや行動のきっかけとなるよう企画されています。​
      オンラインで行われるジムレッスン体験や食育マルシェは従業員の家族も自宅から参加できるようにしました。

      <2023年の安全衛生関連イベント例>

      • オンラインウォーキングイベント(年間3回開催)
      • ジムレッスン体験(ボクササイズやヨガなど)
      • 食育マルシェ(食育+管理栄養士監修生産者直送野菜購入補助)
      • 出張ストレッチ・マッサージ(フィジカルトレーナーによる15分のボディメンテナンス指導)
      • インフルエンザ職場集団予防接種(東京不動産業健康保険組合とのコラボ施策) 等
      【 出張ストレッチ・マッサージ効果検証​ 】
      社内の一角にマッサージベッドを設置。就業時間内に1人15分、フィジカルトレーナーのボディメンテナンスの指導を受けられます。肩こり・腰痛改善のストレッチ方法や、筋トレのアドバイスをもらえ、参加者満足度は10点満点中9.4点、会社の安全衛生関連イベントに今後も参加したいと感じた人は94.0%でした。
  2. 2)健康リスク者の低減
    1. (1) 健康リスク者を把握するため、健康診断の結果は産業医等専門職が判定し、再検査・精密検査の受診勧奨を行っています。2023年には再検査・精密検査の受診は原則必須であることを就業規則に追加し、就業時間内の受診も可能としました。また、検査費用の一部は会社が補助しており、その結果、2023年の精密検査受診率は76.2%と前年の29.4%と比較して大幅に改善しました
    2. (2) 卒煙を目指す喫煙者に対して、ニコチンパッチによる卒煙サポートや卒煙指導伴走型の卒煙プログラムの提供を行っています。年に2回、6月と12月に禁煙月間を設け、喫煙室の就業時間内閉鎖や受動喫煙防止セミナーを実施し、環境面からも卒煙を後押ししています。
    3. (3) 女性特有のがん早期発見・早期治療に繋げるため、健康教育、女性専門職による相談窓口設置等、女性の健康支援施策に取り組んでいます。
    【 禁煙月間の取組み 】
    ポスターを各事業所で掲示し社内喫煙室を閉鎖しました。

さらなる健康維持増進に向けた主な施策の取組状況

  1. 1)社内保健師・心理士による健康相談窓口を設置し、心身の不調の早期発見や、適切な職場対応および治療につなぐ取組みを行っています。相談内容は相談者本人の承諾が無ければ秘密にされるため安心して気軽に相談できる仕組みになっており、社内専門職だからこその、機動的かつ細やかなサポート行っています。治療と仕事の両立や更年期障害・PMSに関すること、上長からのラインケアの相談など、内容は多岐にわたっています。また、社内保健師・心理士から積極的に面談勧奨を行ったり、各地の事業所へ足を運んだりする取組みも行っており、年間延べ500件程度の利用があります。
  2. 2)ストレスチェックは50人未満の事業所勤務者や海外赴任者も含め、すべての従業員に実施しています。高ストレス者には産業医および社内心理士による面談を行っています。ストレスチェックの結果は集団分析を行い、各社役員及び所属長に報告しています。また、集団分析結果の活用を促すため、所属長への研修や社内心理士による個別サポートを行うなど、いきいきと働ける職場づくりを推進しています。
  3. 3)眼精疲労や花粉症、PMS(月経前症候群)など、仕事の生産性にも影響を及ぼす辛い症状の軽減をサポートするため、2023年からオンライン診療サービスと提携しています。提携先のオンライン診療サービスを活用すると、自宅や職場から医師の診察が受けられ処方薬を受け取れるだけでなく、会社から費用の一部について補助も受けられます。
  4. 4)労働安全衛生の取り組みとして、社内保健師が各地の衛生委員会に定期的に出席して旬な衛生関連のトピックスを提供するなどの衛生委員会の活性化を図っています。各事業場における衛生管理者による職場巡視では、事業場独自のリスク項目を含んだチェックリストを用いて危険の早期発見に取り組んでいます。
  5. 5)健康経営を取引先にも広めるため、当社グループの取引先企業に対して健康経営について説明する機会を積極的に設けています。また、希望する企業には、睡眠や熱中症予防など、従業員向けの健康教育資料を提供する取り組みを行っています。これまで、100社以上の取引先へ教育資料を提供しました。

健康経営の効果

健康経営の効果指標として、健康教育受講率、ワークエンゲージメント 、プレゼンティーズムをモニタリングしています。2023年のワークエンゲージメントとプレゼンティーズムの計測では、国内事業所に勤務する被用者健康保険加入者及び海外赴任者を含む6,102人を対象にアンケートを実施し、うち5,782人の回答を得ました(回答率94.8%)。※1

  1. ※1ワークエンゲージメントは新職業性ストレス簡易調査票の「仕事に対する誇り」と「活力」に関する項目の平均値(最も良好な値が4.0、最小値は1.0)とする一般的な測定方法を採用しています。プレゼンティーズムとは、「出勤はしていても病気や怪我などによりパフォーマンスが低下している状態」のことで、従業員アンケートにて測定しています。当社グループでは株式会社ヒューマネージのプレゼンティーズム指標を採用しており、5段階評価(最も良好な値が5、最少値は1)のうち3が全国平均レベルとされています。

健康指標

単位 2021 2022 2023
健康教育受講率 23.1 27.6 94.8
安全衛生イベント延べ参加者数 19,468 6,541 6,318
定期健診受診率 100.0 100.0 100.0
精密検査受診率 28.0 29.4 76.2
有所見率 49.6 53.8 40.5
ハイリスク者管理率(高血圧治療率) 81.3 ※1 81.0 82.8
喫煙率 30.7 ※1 30.8 30.2
乳がん検診受診率 65.0 82.6 82.6
子宮がん検診受診率 72.4 63.6 66.4
保健指導実施率 - 97.3 100.0
ストレスチェック受検率 84.8 88.9 94.8
高ストレス者率 11.1 11.5 11.7
平均月間法定外労働時間 時間 7 11 13
ワークエンゲージメント - 2.42 2.43 2.48
プレゼンティーズム(5段階中) - 3 3 3
アブセンティーズム(私傷病による平均欠勤休職日数) 1.70 1.75 1.81
労働災害度数率(LTIFR) - - - 0.54
  1. ※1 2021年は東京不動産業健保被保険者40歳以上のみを対象に集計

「健康経営優良法人」の認定

パーク24グループの健康経営に向けた取り組みが評価され、グループのうちパーク24(株)を含む7社が健康経営優良法人2024(ホワイト500)に認定されました。

健康経営優良法人2024

関連するSDGs

人々に保健と福祉を